茨城県は、金属盗の認知件数が5年連続で全国ワースト1の県です。そして盗まれているもののうち6割以上が太陽光発電施設のケーブルです。この記事では、茨城県警が公表している数字と対策を整理したうえで、株式会社White & Greenが現場で見てきたことを書きます。
茨城県の金属盗は、いま何件ですか
令和7年(2025年)は1,766件です。ピークだった令和6年の3,628件から1,862件減りました。ただし統計を取り始めた令和2年の1,337件より多く、県警は「依然として高い水準」としています。
| 年 | 茨城県 | 全国 |
| 令和2年(2020) | 1,337件 | 5,478件 |
| 令和3年(2021) | 1,227件 | 7,534件 |
| 令和4年(2022) | 1,632件 | 10,368件 |
| 令和5年(2023) | 2,889件 | 16,276件 |
| 令和6年(2024) | 3,628件 | 20,701件 |
| 令和7年(2025) | 1,766件 | 15,712件 |
(出典:茨城県警察「金属盗難に注意!」)
なぜ茨城県が全国ワースト1なのですか
太陽光発電施設の被害が突出して多いからです。茨城県警の統計では、令和6年(2024年)の金属盗のうち
67%が太陽光発電施設の銅線ケーブルでした。令和7年10月末時点でも約64%を占めています。
全国でも太陽光発電施設は最多の被害場所ですが、「県内の金属盗の3分の2が太陽光」という比率は茨城県の特徴です。茨城県は金属盗の件数が全国最多で、この状態が令和2年から5年続いています。
つまり茨城県で発電所を持っているということは、
全国でいちばん狙われている場所で発電所を持っているということになります。
茨城県内では、どの地域で多く発生していますか
県西地区と県南地区で約7割を占めます。茨城県警の資料(令和7年10月末時点・太陽光発電施設の被害)では、地区ごとの内訳は次のとおりです。
- 県西地区(古河市など)… 362件
- 県南地区(かすみがうら市など)… 318件
- 県央地区(茨城町など)… 146件
- 鹿行地区(鹿嶋市など)… 86件
- 県北地区(常陸大宮市など)… 48件
県西・県南は、埼玉県・千葉県と接していて、高速道路からも入りやすい地域です。
小規模な太陽光発電施設でも被害が出ていると県警は注意を促しています。「うちは小さいから狙われない」は通用しません。
なぜ令和7年に件数が半分になったのですか
買い取り側を規制する条例と、国の法律が同時に効いたためと考えられます。
茨城県特定金属類取扱業に関する条例(令和7年4月1日施行)
令和6年茨城県条例第70号。盗まれた金属の「出口」を塞ぐ条例です。
- 特定金属類を買い取る業者は公安委員会の許可が必要(5年ごとの更新)
- 対象はアルミ・鉄・銅とその合金および製品。銅線、グレーチング、敷鉄板、触媒、エアコン室外機、給湯器など
- 取引のたびに相手の身分証で本人確認を行い、その写しを3年間保存する
- 取引記録(日時・品目・数量・特徴・相手・確認方法)を3年間保存する
- 盗品の疑いがあれば直ちに警察へ申告する
- 無許可営業は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。本人確認義務違反は6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
金属盗対策法(令和7年法律第75号)
2025年9月1日から、一定のケーブルカッターやボルトクリッパーの
隠匿携帯が禁止されました。そして
2026年6月1日に全面施行されます。
ただし、条例と法律で減ったということは、
規制が緩い場所へ移動しているということでもあります。実際、令和7年は静岡県が2倍以上、愛知県が約1.3倍に増えました。この動きは
全国の推移をまとめた記事で詳しく扱っています。
窃盗団は、事前に下見に来ますか
来ます。そして下見のときに、防犯設備の設置状況まで確認されています。これは推測ではなく、茨城県警が公式に明記しています。
犯人は事前に下見をし、防犯設備の設置状況を確認することがある。(茨城県警察「金属盗難に注意!」)
同じことを、株式会社White & Greenも現場で聞いています。2年ほど前、被害に遭った発電所でセキュリティ機器の設置を打ち合わせた際、オーナーと千葉県警の担当者と株式会社White & Greenの3者で話をしました。その場で千葉県警の担当者から直接聞いたのが、次の内容です。
犯行グループは半年ほどのスパンで巡回していて、一度やった発電所を同じように回って狙っている。
茨城県警が文書で書いていること(下見で防犯設備を確認する)と、千葉県警が打ち合わせの場で話したこと(半年周期で巡回する)。この2つを合わせると、
選ばれるかどうかは、被害に遭う前にすでに決まっているということになります。
詳しくは
千葉県の状況をまとめた記事に書いています。
茨城県警が示している手口の特徴は何ですか
グループで動き、車で運び出す、という特徴が挙げられています。茨城県警の資料には次の点が書かれています。
- 犯行グループは、犯行前に店舗の駐車場や宿泊施設に集まることがある
- 犯行後は、盗んだ金属ケーブルを積んだワンボックス車で立ち寄る可能性がある
- 深夜に太陽光発電施設・工事現場・公園などで、エンジンのかかった車が停車している、または作業音が聞こえる
- ケーブルの露出部分が切断されやすい
- 人や交通量の少ない場所にある発電所が狙われやすい
- 建設中や稼働前の太陽光発電所の資材も狙われている
県警は、こうした車両や人を見かけたら110番通報するよう呼びかけています。2025年9月からは切断工具の隠匿携帯も禁止されているので、
不審車両の通報には以前より大きな意味があります。
茨城県警が推奨している対策は何ですか
複数の対策を組み合わせることです。茨城県警が挙げているのは次のものです。
- フェンスセンサー・ワイヤーセンサーの導入
- 機械警備の導入(ケーブル切断などを感知して通知)
- 警報装置の設置(音や光で威嚇し、周囲に知らせる)
- 引込柱や集電箱へのフェンス・カバーの設置
- ケーブルを埋設・固定して引き抜かれないようにする
- AI・警報機能付きの防犯カメラによる夜間監視
- アルミケーブルの導入
- センサーライトなどの照明機器の設置
- 雑草を管理し、フェンスを整備して「管理が行き届いている」印象を与える
最後の1つが見落とされがちです。草が伸び放題の発電所は、下見の段階で「誰も見ていない」と判断されます。草刈りは防犯対策です。
どの対策から始めるべきですか
株式会社White & Greenは、センサーライトから考えます。理由は、
検知と威嚇を1台で兼ねられるからです。人が近づけば検知し、同時に光ります。しかもフェンスがない発電所でも使えて、費用を抑えられます。
フェンスセンサーも有効ですが、
検知するものであって、防御するものではありません。センサー自体は光らないので、威嚇はパトランプなど別の機器が担います。フェンスがない現場では使えず、費用も高くなります。
実際に、下見の段階で止まったことがあります
株式会社White & Greenが納めた発電所での出来事です。窃盗団が下見に来て、敷地に近づいたところでセンサーが反応しました。パトランプが「警察に通報します」という音声を爆音で流し、それを聞いた
周囲の住民が実際に警察へ通報。結果、
被害はゼロでした。翌朝7時に、オーナーから「ありがとう」という電話がかかってきました。
ただし条件があります。この現場には音が届く範囲に人が住んでいました。周囲に誰もいない発電所なら、同じ音が鳴っても誰も通報しません。その場合は防犯カメラの遠隔監視で補います。
現場に人の耳があるかどうかで変わります。
機器の具体的な組み方は
こちらの記事にまとめました。
よくある質問
茨城県の金属盗は年間何件ですか
令和7年(2025年)は1,766件です。ピークの令和6年は3,628件でした(茨城県警察)。
茨城県の金属盗のうち、太陽光発電施設の割合はどれくらいですか
令和6年(2024年)で67%、令和7年10月末時点で約64%です。県内の金属盗の3分の2が太陽光発電施設の被害です。
茨城県内では、どの地域の被害が多いですか
県西地区と県南地区で約7割を占めます。令和7年10月末時点で県西362件、県南318件です。
小規模な太陽光発電所でも狙われますか
狙われます。茨城県警は、小規模な太陽光発電施設でも被害が発生していると注意を促しています。
窃盗団は下見に来ますか
来ます。茨城県警は「犯人は事前に下見をし、防犯設備の設置状況を確認することがある」と公表しています。
忍び返しは効果がありますか
効かない現場があります。株式会社White & Greenが見積もった現場では、フェンスを切断して侵入されていました。忍び返しは越えにくくする部材なので、切って入る相手には効きません。
フェンスがない太陽光発電所でも対策できますか
できます。センサーライトはフェンスがなくても設置できます。フェンスセンサーはフェンスがないと使えません。
対策の費用はいくらですか
敷地の形と配線の距離で大きく変わるため、あらかじめ金額は出していません。現地を調査したうえでお見積りをお出しします。
一度被害に遭った発電所が再び狙われる仕組みは、
こちらの記事で詳しく扱っています。
隣接する
栃木県と
群馬県の状況もまとめています。
埼玉県では、ケーブルを埋設し鉄管で保護していた市営発電所が3年で4回やられています。
ご相談はこちら
茨城県の太陽光発電所の防犯カメラ設置は、
まずはご相談ください。茨城県は株式会社White & Greenの対応エリアです。現地を調査したうえで、お見積りをお出しします。
あらかじめ金額を出していないのは、発電所は敷地の形と配線の距離で費用が大きく変わるからです。「◯台でいくら」と先に出しておいて後から追加、ということにしたくありません。現地を見たうえで、根拠のある金額をお出しします。
なお、
遠隔地の場合は現地調査費用をいただくことがあります。費用の目安は、交通費と人件費です。お問い合わせの際に発電所の所在地をお知らせいただければ、調査費用が発生するかどうかを先にお伝えします。
株式会社White & Green
東京都千代田区神田佐久間町3-37-1-203
TEL:03-5809-3116(営業時間 10:00〜18:00)
対応エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬
お問い合せフォームはこちら
出典・参考