防犯カメラに映っていた窃盗団。黒ずくめで匍匐前進、フェンスに150cmの穴

株式会社White&Greenの得意先の太陽光発電所が、ケーブル盗難の被害に遭いました。この発電所には防犯カメラが設置されていて、侵入の様子が映っていました。 何が映っていたかを書きます。統計ではなく、実際の映像です。 なお、映像そのものは公開しません。発電所が特定される可能性がありますし、捜査にも関わります。分かっている事実だけを書きます。 下の画像は、記録されていた内容をもとに作成したイメージ画像です。実際の映像ではありません。

イメージ画像。黒ずくめの集団がフェンスを切り開いた穴から匍匐前進で太陽光発電所に侵入する様子。隣の畑には車が乗り入れられている

※イメージです。実際の防犯カメラ映像ではありません。記録されていた侵入の様子をもとに作成しました。正面の道路ではなく、横の畑に車を乗り付けて裏から入ってきます。

映っていたこと

  • 時間帯は深夜
  • 黒ずくめの集団だった
  • 匍匐前進で近づいてきた。立って歩いていない
  • フェンスに約150cmの穴をあけて入ってきた
  • 発電所の正面には道路がある。しかし犯人はそこを使わず、横の畑の中に車を乗り付けて、裏から入ってきた
人数は確認していません。複数人の集団だった、というところまでです。 この5つの事実から、かなりのことが分かります。順番に見ていきます。

1. 匍匐前進する理由は、見られたくないから

真っ先に目を引くのが、這って近づいてきたという点です。 太陽光発電所は、たいてい見通しのいい場所にあります。パネルを置くために木や建物のない土地を選んでいるので、人が立って歩けば遠くからでも分かります。 だから這う。彼らは「見られること」を極端に嫌がっています。 ここが重要です。窃盗団は、腕力で押し通るのではなく、気づかれないことを前提に動いています。姿勢を低くするのも、黒い服を着るのも、深夜に来るのも、全部同じ目的です。 逆に言えば、気づかれた瞬間に、彼らの計画は崩れます。 株式会社White&Greenが太陽光発電所に光と音を入れているのは、これが理由です。センサーが反応して発電所が明るくなり、パトランプが「警察に通報します」と爆音で流す。這って隠れてきた相手を、いきなり照らし出す。これは彼らがもっとも避けたい状況です。

2. 正面の道路を避けて、裏から入った。つまり下見をしている

もう一つ、見逃せないのがここです。 正面に道路があるのに、使っていません。わざわざ横の畑に車を乗り付けて、裏側から入っています。 これは偶然ではありません。事前に現地を見て、どこが人目につかないかを把握しているということです。 同じことが、捜査の事例としても報告されています。摘発された事案では、犯行前にスマートフォンの地図アプリで発電所を選定し、人家からの距離、車両進入経路、フェンスの構造を確認したうえで、複数台の車両で現場に向かっていたことが分かっています。 茨城県警察も公式文書で、こう書いています。
犯人は事前に下見をし、防犯設備の設置状況を確認することがある
「防犯設備の設置状況を確認する」という部分が効いてきます。つまり下見の段階で、どこにカメラがあるか、ライトがあるかを見ているということです。 畑に車を乗り付けられるかどうかも、下見で確認する項目です。夜中に初めて来て、暗がりの中で農道の幅や地面の固さを判断することはできません。

3. フェンスは越えずに、切って入る

あけられた穴は約150cmでした。 人がかがんで通れて、ケーブルの束やドラムを運び出せる大きさです。そして、越えるための道具は何も使っていません。 株式会社White&Greenが忍び返しを施工していない理由も、ここにあります。忍び返しは「越えようとする相手」を止める道具です。切って入る相手には関係ありません。 フェンスを高くしても、丈夫にしても、刃物が入る素材である限り、時間が少し増えるだけです。フェンスは、入られるまでの時間を稼ぐものであって、入られないようにするものではありません。

4. カメラは映した。でも、止められなかった

ここは正直に書きます。 この発電所には、このときセンサーが入っていませんでした。防犯カメラだけでした。 結果はこうです。
  • カメラは、侵入の様子を記録した
  • しかし、犯行そのものは止まらなかった
深夜、誰も見ていない発電所で、カメラは黙って録画していただけです。相手は顔を隠し、黒い服を着て、這って近づいてきました。カメラがあることは、下見の時点で分かっていたはずです。それでも来ました。 被害のあと、この発電所にはセンサーを入れました。 防犯カメラは必要です。映像がなければ、何が起きたかを誰にも説明できません。警察の捜査にも、保険の請求にも、出すものがなくなります。実際、この映像があったからこそ、相手の人数や入り方が分かりました。 ただし、カメラは「記録する装置」です。「追い返す装置」ではありません。この2つは別の仕事です。

5. 匍匐前進は、センサーの付け方を変える

ここからは技術的な話です。同業者の方にも読んでほしい部分です。 這って近づいてくる相手は、センサーの検知から外れることがあります。 人の熱と動きをとらえるタイプのセンサーは、検知範囲が扇形に広がります。これを人の背の高さに合わせて水平に向けていると、地面を這う低い姿勢が、検知範囲の下を通り抜けてしまうことがあります。 ですから、設置するときに考えることが変わります。
  • 取り付けの高さと角度。高く付けて遠くを広く見ると、足元が抜けます。低く付けると下見のときに外される
  • 照らす範囲。センサーが反応したときに、どこが明るくなるか。這っている相手の位置が照らされなければ意味がありません
  • 1か所で守ろうとしない。1台で敷地全体を見ようとすると、必ず抜ける場所ができます
フェンスを切る動きは、振動としてとらえる方法もあります。フェンスセンサーです。切ろうとしても、揺らしても、越えようとしても反応します。 ただし、以前にも書いたとおりフェンスセンサーは検知するものであって、防御するものではありません。光で威嚇する機能はありませんし、フェンスのない発電所では使えません。そして高い。 だから株式会社White&Greenは、センサーライトを中心に組みます。検知と同時に、その場で光が出るからです。

6. 裏から来るなら、裏を照らす

この事例でいちばん実務的な教訓は、ここです。 正面に道路があるからといって、正面が危ないわけではありません。むしろ逆です。 犯人は人目を避けます。だから狙われるのは、
  • 道路から見えない側
  • 隣が畑や空き地で、車を乗り入れられる側
  • 民家から遠い側
  • 照明が届かない側
です。正面だけを立派にしても、裏が暗ければ裏から入られます。 カメラとセンサーの台数と位置は、発電所の形で決まります。何坪なら何台、という質問には答えられません。道路がどちら側にあるか、隣が何か、車がどこまで入れるか、民家がどこにあるか。これを現地で見ないと決められません。 だから株式会社White&Greenは、先に金額を出していません。現地を見てから出します。

では、実際に何を付けるのか

センサーライトで照らし、パトランプで「警察に通報します」と爆音で知らせる。這って隠れてきた相手を、その場で明るいところに引きずり出す。 実際に、下見の段階でセンサーが反応し、パトランプの音に気づいた近隣住民が警察に通報して、被害ゼロで終わった現場があります。翌朝7時に、発電所のオーナーからお礼の電話が入りました。 機器の構成、配線の本数、カメラの向きまで図にして説明したのがこちらです。 太陽光発電所に、実際に何を付けているか。光と音とパトランプの組み立て方 なお、被害に遭ったあとの保険の扱いについては、太陽光の盗難、保険は何回目まで出るのかにまとめています。いまは支払われていますが、更新と新規加入の条件は厳しくなっています。

県別の被害状況

  • 茨城県:5年連続で全国ワースト。被害の6割以上が太陽光発電所
  • 千葉県:令和6年は2,001件で全国2位。被害者の約7割が太陽光
  • 栃木県:全国3位。買い取りを規制する条例がない
  • 群馬県:1年で8倍の1,102件
  • 埼玉県:埋設・鉄管保護でも3年で4回やられた市営発電所
  • 神奈川県:県営発電所が2回。一晩で2,700m、被害3,000万円
  • 再被害:一度やられた発電所は、また狙われる
すでに被害に遭われた方は、太陽光発電所が盗難に遭った直後にやることをご覧ください。最初にやるべきは警察への通報ではなく、感電の確認です。切断されたケーブルには電圧がかかっている可能性があります。 全国の件数と県別の順位は、太陽光の盗難件数ランキングにまとめています。太陽光発電施設からのケーブル窃盗は茨城・栃木・群馬・千葉の4県で約8割。令和7年に全国で24.1%減りましたが、中部管区は増えています。

出典

この記事で使った数字と引用の出どころです。いずれも公表資料で、どなたでも確認できます。

この記事の出典

  • 深夜に黒ずくめの集団が匍匐前進で近づき、フェンスに約150cmの穴をあけて侵入したこと、正面の道路ではなく横の畑に車を乗り付けて裏から入ってきたこと、当時センサーは設置されておらず被害後に設置したこと:株式会社White&Greenの得意先の発電所で、防犯カメラに記録されていた内容です。映像および発電所の所在地は公開していません。
  • 「犯人は事前に下見をし、防犯設備の設置状況を確認することがある」:茨城県警察
    https://www.pref.ibaraki.jp/kenkei/a01_safety/street/kinzoku.html
  • スマートフォンの地図アプリによる発電所の選定、人家からの距離・車両進入経路・フェンス構造の確認、複数台の車両での来訪:自然電力(摘発事例の紹介)
    https://so.shizenenergy.net/blog/security/
  • 下見の段階でセンサーが反応し被害ゼロで終わった現場、センサーライトとパトランプの構成:株式会社White&Greenが施工・確認した内容です。

ご相談はこちら

太陽光発電所の防犯カメラ設置は、まずはご相談ください。現地を調査したうえで、お見積りをお出しします。 あらかじめ金額を出していないのは、発電所は敷地の形と配線の距離で費用が大きく変わるからです。「◯台でいくら」と先に出しておいて後から追加、ということにしたくありません。現地を見たうえで、根拠のある金額をお出しします。 なお、遠隔地の場合は現地調査費用をいただくことがあります。費用の目安は、交通費と人件費です。お問い合わせの際に発電所の所在地をお知らせいただければ、調査費用が発生するかどうかを先にお伝えします。 株式会社White&Green
東京都千代田区神田佐久間町3-37-1-203
TEL:03-5809-3116(営業時間 10:00〜18:00)
対応エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬 お問い合せフォームはこちら

よくあるご質問

太陽光発電所の窃盗団は、どうやって侵入してきますか?

株式会社White&Greenの得意先の発電所では、防犯カメラに侵入の様子が記録されていました。深夜、黒ずくめの集団が匍匐前進で近づき、フェンスに約150センチの穴をあけて侵入しています。発電所の正面には道路がありましたが犯人はそこを使わず、横の畑の中に車を乗り付けて裏側から入ってきました。姿勢を低くし、黒い服を着て、人目のない側から入るという、見られないことを前提とした動き方です。

なぜ匍匐前進で近づいてくるのですか?

見られたくないからです。太陽光発電所は木や建物のない見通しのよい土地に設置されるため、人が立って歩けば遠くからでも分かります。姿勢を低くするのも、黒い服を着るのも、深夜に来るのも、気づかれないようにするためです。逆に言えば、気づかれた時点で計画が崩れます。センサーライトで照らし、パトランプで警告音を出す方法が有効なのはこのためです。

窃盗団は下見をしているのですか?

しています。この事例では、正面に道路があるにもかかわらず横の畑に車を乗り付けて裏から侵入しており、どこが人目につかないかを事前に把握していたことが分かります。摘発された事案では、犯行前にスマートフォンの地図アプリで発電所を選定し、人家からの距離、車両進入経路、フェンスの構造を確認したうえで複数台の車両で現場に向かっていたことが判明しています。茨城県警察も「犯人は事前に下見をし、防犯設備の設置状況を確認することがある」としています。

フェンスを高くすれば防げますか?

防げません。この事例では、フェンスを越えるのではなく、約150センチの穴をあけて侵入しています。人がかがんで通れて、ケーブルの束を運び出せる大きさです。フェンスを高くしても丈夫にしても、刃物が入る素材である限り侵入までの時間が少し増えるだけです。株式会社White&Greenが忍び返しを施工していないのも、越えるのではなく切って入る相手には効かないからです。

防犯カメラがあれば盗難を防げますか?

防げるとは限りません。この発電所には防犯カメラが設置されていましたが、当時センサーは入っていませんでした。カメラは侵入の様子を記録しましたが、犯行そのものは止まりませんでした。カメラがあることは下見の段階で分かっていたはずですが、それでも侵入されています。カメラは記録する装置であり、その場で追い返す装置ではありません。被害後、この発電所にはセンサーを設置しました。

匍匐前進されるとセンサーは反応しませんか?

反応しないことがあります。人の熱と動きをとらえるタイプのセンサーは検知範囲が扇形に広がるため、人の背の高さに合わせて水平に向けていると、地面を這う低い姿勢が検知範囲の下を通り抜けることがあります。そのため取り付けの高さと角度、センサーが反応したときに照らされる範囲、そして一か所で守ろうとしない設計が重要になります。フェンスを切る振動をとらえるフェンスセンサーという方法もありますが、検知するだけで光による威嚇がなく、フェンスのない発電所では使えません。

発電所のどちら側が狙われやすいですか?

人目につかない側です。道路から見えない側、隣が畑や空き地で車を乗り入れられる側、民家から遠い側、照明が届かない側が狙われます。正面に道路があるから正面が危ない、というわけではありません。この事例でも、正面の道路を避けて裏の畑側から侵入されています。カメラとセンサーの台数と位置は発電所の形と周囲の状況で決まるため、株式会社White&Greenは現地を調査してからお見積りをお出ししています。