神奈川県の太陽光ケーブル盗難。県営発電所が2回、一晩で2,700m抜かれた

神奈川県の太陽光発電所のケーブル盗難は、件数だけを見れば北関東とは桁が違います。茨城県が令和5年に2,889件、千葉県が1,684件という世界に対して、神奈川県はその数字に並びません。 ただ、神奈川県には神奈川県の問題があります。増え方と、やられ方です。神奈川県が自分で持っている発電所が、2回やられています。

1年のうちに、約560%増えた

神奈川県警察の情報として小田原市が公表している数字では、令和6年7月末時点で、県内の太陽光発電施設の送電ケーブル盗難が73件。前年の同じ時期と比べて約560%増、つまり6倍以上です。 73件という数字は、茨城県や千葉県の年間件数と比べれば小さい数字です。しかし、前年は10件前後だったものが、半年あまりで73件になっているということです。 警察庁の検討会では、太陽光発電施設のケーブル盗難について「警戒が手薄な地方に流動している」という説明が出ています。北関東で対策が進み、条例ができ、警察の警戒が強まると、同じグループは別の場所に移ります。神奈川県は、その「別の場所」に入ったということです。 首都圏が対象外ではないことも、はっきりしています。令和6年5月には東京都日の出町の太陽光発電施設から銅線ケーブル約840mが盗まれ、タイ人の男4人が逮捕されました。このグループは1都7県で60件以上の太陽光発電施設の窃盗を行い、被害額は1億円を超えるとされています。

県営の太陽光発電所が、2回やられた

神奈川県の被害で、公表されている資料がそろっている事例があります。谷ヶ原太陽光発電所(愛称・湘南ベルマーレ谷ヶ原太陽光発電所)です。
  • 所在地:相模原市緑区谷ヶ原、谷ヶ原配水池の中
  • 事業主体:神奈川県企業庁(県営)
  • 最大出力:1,000kW、太陽光パネル4,680枚
  • 営業運転開始:平成26年12月
  • 年間発電量:105万kWh
令和6年6月9日(日)午前9時ごろ、警備会社の巡回で異常が確認されました。県の職員が現場に行くと、配水池のフェンスが壊され、電気ケーブル約2,700mが抜き取られていました。被害想定額は、復旧工事費を含めて約3,000万円。発電は停止。津久井警察署に被害届が出されています。 そして、ここが大事なところです。 この発電所は、令和4年10月にも、別の侵入口から盗難被害に遭っています。 1回目の被害のあと、県は人感センサー付きの防犯カメラを設置しました。機械警備については「今年度中に導入予定」とされていました。その間に、2回目が来ました。 一度やられた発電所がまた狙われるという話は、一度盗難に遭った太陽光発電所は、また狙われるで別にまとめています。神奈川県の県営発電所も、その例外ではなかったということです。

一晩で2,700m。巡回では間に合わない

この事例でもう一つ注目すべきなのは、時間です。 県の発表では、この発電所は前日の19時(日没)まで発電・送電していたことが確認されています。そして発見は翌朝9時ごろ。 つまり、14時間のあいだに約2,700mのケーブルが抜かれたということです。 2,700mというのは、人が1人で担いで運べる量ではありません。車両を入れ、複数人で、時間を決めて作業しています。計画された作業です。 ここから分かることは、はっきりしています。
  • 「朝、見に行って気づく」という運用では間に合わない
  • 「警備会社が巡回で見つける」という運用でも間に合わない
  • 気づいた時点で、すでに終わっている
必要なのは、終わったあとに気づく仕組みではなく、始まる前に追い返す仕組みです。

防犯カメラを付けていたのに、なぜ2回目を止められなかったのか

防犯カメラを設置した発電所が、その後また盗まれた。これは防犯カメラ屋が言いにくい話ですが、株式会社White & Greenははっきり書きます。 防犯カメラは、記録する装置です。 犯人がカメラを見て帰るかどうかは、「今ここで誰かが見ている」と思わせられるかどうかで決まります。夜間、人のいない発電所で、カメラは静かに録っているだけです。相手にとっては、顔と車のナンバーを隠せば済む話になります。 そして、窃盗団は必ず下見に来ます。茨城県警察も公式文書で「犯人は事前に下見をし、防犯設備の設置状況を確認することがある」としています。下見の段階でカメラの位置を把握されれば、死角を通って入るか、カメラを外してから入るだけです。 株式会社White & Greenが現場で効くと考えているのは、光と音です。 センサーが反応した瞬間に、発電所全体を照らす。同時にパトランプが「警察に通報します」という音声を爆音で流す。これは記録ではなく、その場の妨害です。 実際に、下見に来た段階でセンサーが反応し、パトランプの爆音で近隣住民が警察に通報し、被害ゼロで終わった現場があります。翌朝7時に、発電所のオーナーからお礼の電話が入りました。この話は太陽光発電所に、実際に何を付けているかに書いています。

神奈川県には金属くず条例がなかった。2026年6月から、国の法律になった

金属くず(スクラップ)の買い取りを規制する条例は、全国17道府県にあります。茨城県と千葉県には条例があります。神奈川県、東京都、埼玉県、栃木県、群馬県にはありません。 条例がない県では、盗んだ銅線を売りさばくのが相対的に容易になります。実際に警察庁の資料には、群馬県の業者が群馬県内の盗品を買い取り、同じ業者が茨城県で盗まれた銅線ケーブルも買い取っていたという事例が出ています。 この状況は、国の法律で変わりました。「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」(金属盗対策法)です。
  • 令和7年9月1日:指定金属切断工具の隠匿携帯が禁止されました。対象はケーブルカッター(刃の長さ45cm以上でラチェット機構付き、または電気・油圧駆動)、ボルトクリッパー(75cm以上で電気・油圧駆動)など。違反すると1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
  • 令和8年6月:買い取り業者への規制が施行されました。特定金属くず買受業の届出、売りに来た相手の本人確認、確認記録と取引記録の作成・保存、盗品のおそれがあるときの警察官への申告が義務になりました。
これで、条例がなかった神奈川県も、茨城県や千葉県と同じ土俵に乗りました。 ただし、冷静に見る必要があります。これは「売る側・買う側」の規制です。発電所に入られること自体が減るわけではありません。入られたあとに換金しにくくなるだけです。 法律ができたから発電所側の対策がいらなくなる、という話ではありません。むしろ、換金しにくくなった分だけ、1回で大量に持っていく方向に行く可能性があります。谷ヶ原の2,700mは、その形です。

神奈川県の発電所は、どこで狙われているか

谷ヶ原太陽光発電所は相模原市緑区です。山あいで、夜間はほとんど人通りがありません。 神奈川県は人口の多い都市県ですが、発電所があるのは人がいない場所です。そして都市部に近いことは、安全を意味しません。幹線道路からのアクセスがよく、作業後に都市部へ紛れやすいという意味では、むしろ条件がいい場所になります。 神奈川県警察本部犯罪抑止対策室は、県内の神社、太陽光発電施設、公園、工事現場などで「銅板」「ケーブル」「水道メーター」といった金属類が盗まれていると注意を呼びかけています。発電所だけの問題ではありません。

神奈川県警が挙げている対策

神奈川県警察のチラシに載っている対策は、次のものです。
  • 警報装置
  • 防犯カメラ
  • センサーライト
  • 強固な材質のフェンス
  • 多言語の警告看板
  • 草刈り等の植栽管理
センサーライトが入っているのは、現場の実感と合います。警察が挙げる対策の中で、唯一「その場で相手を妨害する」性質を持っているのがこれです。 草刈りも軽く見られがちですが、効きます。茨城県警察も「雑草を管理し、フェンス等を整備して管理が行き届いている印象を与える」と書いています。下見に来た相手に「ここは人が見に来ている」と思わせる、という意味です。逆に言えば、草が伸びきった発電所は「誰も来ていない」と宣言しているのと同じです。

では、実際に何を付けるのか

株式会社White & Greenが太陽光発電所に実際に設置しているのは、カメラだけではありません。光と音です。センサーライトで照らし、パトランプで「警察に通報します」と爆音で知らせる。この組み合わせが、下見に来た段階で相手を追い返します。 機器の構成、配線の本数、カメラの向きまで図にして説明したのがこちらです。 太陽光発電所に、実際に何を付けているか。光と音とパトランプの組み立て方 近隣に住宅がなく、音で知らせても誰も気づかない立地の場合は、防犯カメラの遠隔監視で対応します。ネット回線は新規で引いてもらいます。よほどの山間部でない限り、引けます。

他県の状況

  • 茨城県:5年連続で全国ワースト。被害の6割以上が太陽光発電所
  • 千葉県:令和6年は2,001件で全国2位。被害者の約7割が太陽光
  • 栃木県:全国3位。買い取りを規制する条例がない
  • 群馬県:1年で8倍の1,102件。県内の業者が他県の盗品も買い取っていた
  • 埼玉県:ケーブルを埋設し鉄管で保護していた市営発電所が3年で4回
  • 静岡・愛知:1グループが10県で78件、被害1億1,000万円

ご相談はこちら

神奈川県の太陽光発電所の防犯カメラ設置は、まずはご相談ください。神奈川県は株式会社White & Greenの対応エリアです。現地を調査したうえで、お見積りをお出しします。 あらかじめ金額を出していないのは、発電所は敷地の形と配線の距離で費用が大きく変わるからです。「◯台でいくら」と先に出しておいて後から追加、ということにしたくありません。現地を見たうえで、根拠のある金額をお出しします。 なお、遠隔地の場合は現地調査費用をいただくことがあります。費用の目安は、交通費と人件費です。お問い合わせの際に発電所の所在地をお知らせいただければ、調査費用が発生するかどうかを先にお伝えします。 株式会社White & Green
東京都千代田区神田佐久間町3-37-1-203
TEL:03-5809-3116(営業時間 10:00〜18:00)
対応エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬 お問い合せフォームはこちら

よくあるご質問

神奈川県の太陽光発電所のケーブル盗難は、どのくらい起きていますか?

神奈川県警察の情報として小田原市が公表している数字では、令和6年7月末時点で県内の太陽光発電施設の送電ケーブル盗難が73件、前年の同じ時期と比べて約560%増です。件数そのものは茨城県(令和5年2,889件)や千葉県(令和6年2,001件)より少ないものの、増加率が極端に大きいのが神奈川県の特徴です。

神奈川県営の谷ヶ原太陽光発電所では何が起きましたか?

令和6年6月9日午前9時ごろ、警備会社の巡回で異常が確認され、谷ヶ原配水池のフェンスが壊されて電気ケーブル約2,700mが抜き取られていました。被害想定額は復旧工事費を含めて約3,000万円で、発電は停止しました。この発電所は令和4年10月にも別の侵入口から盗難被害に遭っており、2回目の被害です。

防犯カメラを付けていたのに、なぜ2回目の盗難を止められなかったのですか?

谷ヶ原太陽光発電所は1回目の被害のあとに人感センサー付き防犯カメラを設置していましたが、2回目を防げませんでした。防犯カメラは記録する装置であり、その場で相手を妨害する装置ではありません。窃盗団は事前に下見をして防犯設備の設置状況を確認するため、カメラの位置が分かれば死角を通るか、カメラを外してから侵入します。株式会社White & Greenは、センサーライトの光とパトランプの爆音による警告を組み合わせ、下見の段階で相手を追い返す方法をとっています。

一晩でどのくらいのケーブルが抜かれますか?

神奈川県の発表では、谷ヶ原太陽光発電所は前日19時の日没まで発電・送電していたことが確認され、翌朝9時ごろに被害が発見されています。約14時間で約2,700mのケーブルが抜かれた計算です。車両を入れ複数人で作業する計画的な犯行であり、朝の見回りや警備会社の巡回で気づく運用では間に合いません。

神奈川県には金属くずの買い取りを規制する条例がありますか?

神奈川県には金属くず(スクラップ)の買い取りを規制する条例がありません。条例があるのは全国17道府県で、茨城県と千葉県は含まれますが、神奈川県、東京都、埼玉県、栃木県、群馬県は含まれません。ただし国の金属盗対策法(盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律)により、令和7年9月1日から指定金属切断工具の隠匿携帯が禁止され、令和8年6月からは買い取り業者に届出・本人確認・取引記録の作成保存・警察官への申告が義務づけられました。

神奈川県警察はどのような対策を挙げていますか?

神奈川県警察のチラシでは、警報装置、防犯カメラ、センサーライト、強固な材質のフェンス、多言語の警告看板、草刈り等の植栽管理が挙げられています。このうちその場で相手を妨害する性質を持つのはセンサーライトです。草刈りも、管理が行き届いている印象を与えるという意味で下見対策として効きます。

神奈川県の太陽光発電所の防犯カメラ設置費用はいくらですか?

発電所は敷地の形と配線の距離で費用が大きく変わるため、株式会社White & Greenは事前に金額を出さず、現地を調査したうえでお見積りをお出ししています。なお遠隔地の場合は現地調査費用をいただくことがあり、費用の目安は交通費と人件費です。お問い合わせの際に発電所の所在地をお知らせいただければ、調査費用が発生するかどうかを先にお伝えします。