埼玉県の太陽光ケーブル盗難。埋設・鉄管保護でも4回やられた市営発電所

埼玉県の金属盗は、令和5年で1,172件。全国5位です。そして埼玉県にも、盗まれた金属の買い取りを規制する独自の条例がありません。 ただ、埼玉には他の北関東3県と違う特徴が2つあります。ひとつは犯人像、もうひとつは「対策済みの発電所が、それでもやられた」という事例が公表されていることです。

埼玉県の金属盗は何件ですか

令和5年(2023年)で1,172件、全国5位です。警察庁の「金属盗対策に関する検討会」資料による上位5県は次のとおりです。
順位都道府県令和5年の認知件数
1茨城県2,889件
2千葉県1,684件
3栃木県1,464件
4群馬県1,437件
5埼玉県1,172件
埼玉新聞によると、2023年1〜8月の県内の金属窃盗の認知件数は427件(前年同期比+124件、+40.9%)。そのうち銅線・ケーブルの被害が236件で、うち117件が太陽光発電施設でした。 埼玉県にも、買い取りを規制する独自の条例は確認できませんでした。警察庁の資料にある金属くず条例の制定17道府県に、茨城県・千葉県は含まれていますが、埼玉県・栃木県・群馬県・東京都・神奈川県は含まれていません。

埼玉県内では、どこで多く発生していますか

県北東部に集中しています。 2023年1〜8月で県内最多だったのは羽生署管内の49件(前年同期比+33件)でした。また2022年に摘発された事件では、市町村別で加須市が42件と最多でした。 羽生市も加須市も、利根川をはさんで群馬県・栃木県・茨城県と接する地域です。4県の県境が近く、どの県にも短時間で抜けられます。群馬県・栃木県・茨城県の記事で書いたとおり、犯行グループは県境を無視して動きます。

埼玉県の犯人像は、他県と違いますか

違う面があります。外国籍グループだけではありません。 茨城・千葉・群馬・栃木で摘発されている事件は、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナムなどの国籍の者による組織的な犯行が目立ちます。ところが埼玉で公表されている事件には、別の型があります。
  • 2022年12月に埼玉新聞が報じた事件では、58歳と48歳の無職の男2人が追送検されました。見出しは「ご近所同士で銅線窃盗」です
  • 別の事件では、容疑者が「生活費のため、銅線、給湯器の金属を盗んでいた」と供述しています(埼玉新聞)
つまり、生活困窮を動機とした、地元の人間による犯行も相当数あるということです。 これは発電所の持ち主にとって、むしろ厄介です。遠方から来るグループと違い、地元の人間は現場をよく知っています。下見をするまでもなく、どこに何があるか分かっている。 ちなみに2022年の事件は、埼玉・栃木・群馬・茨城・千葉の5県で136件、被害約2,263万円。2020年8月下旬から2022年6月までのあいだに、太陽光発電施設の敷地内など91カ所が狙われました。手口は「深夜に、防犯カメラが少なく人けのない場所を狙い、電力ケーブルを番線カッターで切断」。盗んだ銅線は金属リサイクル業者2社に売却されたとみられています。

対策していれば防げますか

対策の種類を間違えると、防げません。埼玉県羽生市の市営太陽光発電施設の例が、それをはっきり示しています。

羽生市下村君の市営発電所で起きたこと

埼玉新聞の報道によれば、この施設は3年間で計4回被害に遭っています。
  • 2020年・2021年 … 被害
  • 2023年1月 … 約390メートルの送電ケーブルが盗まれ、マンホールなども破壊された
  • 2023年7月 … 約200メートルのケーブルが盗まれた
注目してほしいのはここです。この施設は、すでに対策をしていました。
ケーブルを地中に埋設し、銅線を鉄管で保護、マンホールも開けられないよう措置した。それでも被害を防げなかった。
市の担当者は、人力ではなく重機のようなものが使われた可能性があるとみています。

この事例が示していること

埋設も鉄管保護も、「時間」を稼ぐ対策です。盗るのに手間をかけさせる。これは有効な考え方ですが、手間をかけてでも盗る相手には効きません。重機を持ち込まれたら、鉄管は時間稼ぎになりません。 足りなかったのは、「気づく」仕組みと「その場で追い返す」仕組みです。センサーで検知し、光と音で威嚇する。これがないと、どれだけ頑丈にしても、時間をかけて壊されます。

そして、金額の話

この施設の発電量は約206世帯分で、売電が順調なら市の収入は年間約3,000万円前後。被害を受けて市が組んだ予算は、修繕費と新たな警備保障の導入を含めて約1,703万円でした。 最初から警備を入れていれば、この1,703万円の多くは不要でした。一度被害に遭った発電所は、また狙われます。4回というのは、その典型です。

埼玉県の発電所オーナーは、何をすべきですか

「頑丈にする」より先に、「気づいて追い返す」仕組みを入れることです。

株式会社White & Greenが、まず考えるもの

センサーライトです。人が近づくと検知し、同時に光るため、検知と威嚇を1台で兼ねられます。フェンスがない発電所でも設置でき、費用も抑えられます。 抑止を担うのは光と音で、カメラの仕事は記録です。実際に、下見に来た窃盗団に対してパトランプが「警察に通報します」という音声を爆音で流し、それを聞いた近隣住民が通報して被害ゼロで終わった例があります。 埋設や鉄管保護を否定しているわけではありません。順番の話です。気づく仕組みがないまま頑丈にしても、羽生市の例のように時間をかけて破られます。機器の組み方はこちらの記事にまとめました。 なお、国の金属盗対策法は2026年6月1日に全面施行され、買い取り業者の届出と本人確認が全国一律で義務になります。埼玉の「出口が開いている」状態は、ここで解消されます。ただし現場に入られること自体が止まるわけではありません。

よくある質問

埼玉県の金属盗は何件ですか

令和5年(2023年)で1,172件、全国5位です。また埼玉新聞によれば、2023年1〜8月の認知件数は427件で前年同期比40.9%増。そのうち銅線・ケーブルが236件、うち117件が太陽光発電施設の被害でした。

埼玉県内ではどこの被害が多いですか

県北東部です。2023年1〜8月で県内最多は羽生署管内の49件でした。2022年に摘発された事件では市町村別で加須市が42件と最多です。いずれも利根川をはさんで群馬・栃木・茨城と接する地域です。

埼玉県に金属くずの買い取りを規制する条例はありますか

本記事の調査時点では確認できませんでした。警察庁の資料では金属くず条例は17道府県で制定されており、茨城県・千葉県は含まれていますが、埼玉県・栃木県・群馬県・東京都・神奈川県は含まれていません。国の金属盗対策法が2026年6月1日に全面施行されます。

ケーブルを地中に埋設すれば盗まれませんか

防げない場合があります。埼玉県羽生市の市営太陽光発電施設は、ケーブルを地中に埋設し銅線を鉄管で保護し、マンホールも開けられないよう措置していましたが、3年間で計4回被害に遭いました。市は人力ではなく重機のようなものが使われた可能性があるとみています。埋設は時間を稼ぐ対策であり、気づく仕組みと威嚇する仕組みが別に必要です。

太陽光発電所の盗難は外国籍グループによるものだけですか

違います。埼玉県で公表されている事件には、58歳と48歳の無職の男2人による「ご近所同士」の犯行や、「生活費のため」と供述している例があります。地元の人間による犯行は、現場を知っているぶん厄介です。

埼玉県でも防犯カメラの設置に対応してもらえますか

対応しています。埼玉県は株式会社White & Greenの対応エリアです。ただし遠隔地の場合は現地調査費用をいただくことがあります。費用の目安は交通費と人件費です。 神奈川県では、神奈川県営の太陽光発電所が2回やられています。1回目のあとに人感センサー付き防犯カメラを設置しましたが、2回目は一晩で約2,700mが抜かれ、被害額は約3,000万円でした。

ご相談はこちら

埼玉県の太陽光発電所の防犯カメラ設置は、まずはご相談ください。埼玉県は株式会社White & Greenの対応エリアです。現地を調査したうえで、お見積りをお出しします。 あらかじめ金額を出していないのは、発電所は敷地の形と配線の距離で費用が大きく変わるからです。「◯台でいくら」と先に出しておいて後から追加、ということにしたくありません。現地を見たうえで、根拠のある金額をお出しします。 なお、遠隔地の場合は現地調査費用をいただくことがあります。費用の目安は、交通費と人件費です。お問い合わせの際に発電所の所在地をお知らせいただければ、調査費用が発生するかどうかを先にお伝えします。 株式会社White & Green
東京都千代田区神田佐久間町3-37-1-203
TEL:03-5809-3116(営業時間 10:00〜18:00)
対応エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬 お問い合せフォームはこちら

出典・参考