太陽光発電所の防犯カメラ、費用は何で決まるのか。台数より、配線の距離と電源と回線

「防犯カメラを付けたいんですが、いくらかかりますか」 太陽光発電所のオーナーから、いちばん多く聞かれる質問です。 株式会社White&Greenは、太陽光発電所の防犯カメラについて、あらかじめ金額を出していません。発電所は、敷地の形と配線の距離で費用が大きく変わるからです。「◯台でいくら」と先に出しておいて、現地を見てから追加、ということにしたくありません。 ただ、「何で決まるのか」は先に説明できます。 この記事では、太陽光発電所の防犯カメラの費用が何で決まるのかを、要素ごとに書きます。読み終わるころには、ご自身の発電所が「費用がかさむ側」か「抑えやすい側」か、ある程度の見当がつくはずです。

先に結論。費用を決めるのは、台数より6つの条件です

防犯カメラの費用を決める6つの条件。配線の距離(最長250m)、電源、回線、敷地の形、取り付け場所、ライトやサイレンとの組み合わせ。カメラ本体の値段は費用の一部にすぎない

費用を決めるのは台数よりこの6つ。いちばん差が出るのは配線の距離です。

防犯カメラの費用というと、カメラの台数で決まると思われがちです。発電所では、そうなりません。
  1. 配線の距離:機器からキュービクルまで、どれだけ線を引くか
  2. 電源:機器を置く場所まで、電気を持ってこられるか
  3. 回線:ネット回線を引けるか、引くならどこからか
  4. 敷地の形:細長いか、正方形に近いか。ここで台数と向きが決まります
  5. 取り付ける場所:高い位置に付けられる柱があるか
  6. カメラ以外に何を組み合わせるか:センサーライト、パトランプ、フェンスセンサー
カメラ本体の値段は、このうちの一部にすぎません。同じ4台でも、現場によって工事の量がまったく違います。順番に説明します。

1. 配線の距離。発電所でいちばん差が出るところ

発電所の防犯機器は、たいていキュービクルのまわりに集めます。録画機、電源、パトランプ、コントローラーをまとめる場所になるからです。 そこから、敷地の各所に付けたカメラやセンサーライトまで、線を1本ずつ引きます。この線の長さが、そのまま材料と手間になります。 実例を1つ書きます。奥行き70mほどの敷地で、フェンス沿いにセンサーライトを5台並べたことがあります。配線は、各センサーからキュービクルまで0.9mmの2芯線を1本ずつ、まとめる幹線は2.1mmの2芯です。5台でも、それぞれの位置からキュービクルまでの距離の分だけ線が要ります。 費用がかさむのは、こういう現場です。
  • 敷地が広い、または細長い
  • キュービクルが敷地の端にあり、反対側の端まで見たい
  • 見たい場所が敷地のあちこちに散らばっている
  • 過去に侵入された場所が、キュービクルから離れている
逆に、キュービクルの近くに見たい場所がまとまっている現場は、抑えやすくなります。

一度入られた現場は、入られた場所を中心に組みます

すでに一度盗難に遭った発電所では、侵入された位置が、次も同じように狙われる可能性があります。犯人から見れば、下見も済んでいて、入り方も分かっている場所だからです。 そのため当社では、侵入された場所を重点的に押さえる形で、カメラとセンサーを配置します。そしてサイレンは、そこから離れた場所に入れます。侵入場所の近くに置くと、すぐに壊されてしまうからです。 しかも、侵入される場所は、たいてい電源から離れています。人目につきにくい、敷地の奥や裏手から入られることが多いからです。もちろん現場によって違いますが、録画機や電源はキュービクルやパワコンのそばにあるので、侵入場所を押さえるカメラとセンサーは、そこから遠い位置になります。 こうして組むと、カメラから録画機、サイレンまでの距離が100m近くになることがあります。侵入された場所が敷地のどこだったかで、線の長さが変わる。これも、現場ごとに見積金額が変わる大きな要因です。

いちばん長かった現場は、250m

ここに、発電所の形と広さが加わります。敷地が広く、細長い現場ほど、線は長くなります。 これまで当社が引いた中で、いちばん長いところは250mでした。キュービクルのすぐそばで済む現場もあれば、250m引く現場もある。同じ「防犯カメラの設置」でも、工事の量はこれだけ違います。 もうひとつ、線をどう通すかも費用に関わります。発電所に入られたあと、狙われるのはキュービクルや接続箱、ハンドホール、露出した配線といった決まった場所です。防犯機器の線そのものを切られては意味がないので、線はむき出しにせず、管に入れて守ります。 当社の通し方は、主に2つです。
  • PF管に入れて、フェンスに沿わせて通す
  • PF管を2重にして、地面にそのまま這わせる
どちらで通すかは、フェンスの有無と、機器を付ける位置で決まります。線が長くなれば、管も同じ長さだけ要ります。配線の距離が費用に響くのは、線と管の両方が増えるからです。

2. 電源。機器のそばまで電気を持ってこられるか

カメラも録画機もパトランプも、電気がなければ動きません。 当社では、電源はキュービクルか、パワコンのそばに設置されたコンセントから取ります。 問題は、そこから機器までの距離です。電源を取れる場所は決まっていますが、カメラやセンサーを付けたい場所は現場ごとに違います。
  • キュービクルやパワコンの近くに、機器をまとめて置ける → 抑えやすい
  • 電源を取れる場所から、機器を付けたい場所まで距離がある → 電源の配線が増える
現地調査では、キュービクルとパワコンの位置、コンセントがあるかどうかを最初に確認します。

録画機を置く場所

録画機は、キュービクルがあれば、キュービクルの中に入れます。キュービクルがない発電所では、録画機を入れるボックスを別に設置します。そのぶん、部材と工事が加わります。

3. 回線。まず、引けるかどうか

「発電所にはネット回線がない」とよく言われます。実際には、よほどの田舎でない限り、新規で引けることがほとんどです。当社も、カメラ工事と一緒に光回線の配線工事から請けることがあります。 回線について、費用の考え方は3つに分かれます。
回線の状況初期の工事月々の費用できること
光回線を引く回線の引き込み工事が加わる回線の月額がかかる遠隔で映像を見られる。異常をその場で通知できる
LTE・SIMを使う回線工事は不要通信料がかかる。通信量の上限がある遠隔で見られるが、通信量に気を使う
回線なしなしなし現地の録画だけ。何かあったら現地まで見に行く
当社では、LTEやSIMは「回線が引けないときの手段」と考えています。最初から選ぶものではありません。まず光回線が引けるかどうかを調べる。これが最初の一手です。 回線の費用は、工事が終わったあとも続きます。見積りを比べるときは、初期費用だけでなく、月々かかる費用も並べて見てください。

4. 敷地の形。台数と向きはここで決まる

「何坪だから何台」とは言えません。同じ面積でも、形で必要な台数が変わります。
  • 敷地が細長いか、正方形に近いか
  • 道路に面している辺が何本あるか
  • 車が入ってこられる場所がどこか
  • フェンスのどこが死角になるか
  • キュービクルやハンドホールがどこにまとまっているか
カメラは、パネルの列と、車が入ってくる進入路を見下ろす向きに付けます。実際の窃盗団は、正面の道路ではなく、横の畑に車を乗り付けて裏から入ってきたことがあります。「正面だけ撮っておけばいい」とはなりません。どこから入られうるかで、台数と向きが決まります。

5. 取り付ける場所。高い位置に付けられるか

株式会社White&Greenがよくやるのは、敷地まわりの電柱など高い位置に、防水ボックスとセットで取り付ける形です。 高い位置に付けるのには理由があります。手の届く高さだと、下見の段階で外されたり、向きを変えられたりするからです。 費用の面では、こう分かれます。
  • 見たい場所を見下ろせる位置に、取り付けられる柱がすでにある → 抑えやすい
  • フェンスが鉄管を使って立てられている → その鉄管に取り付けられる
  • ちょうどいい位置に柱がない → 鉄管を立てられる場所なら、鉄管を新しく設置する。そのぶん費用が増える
どれになるかは、現場ごとに違います。

6. カメラ以外に、何を組み合わせるか

発電所の防犯は、カメラだけでは完結しません。当社の考えでは、抑止は光と音、カメラの仕事は記録です。なので、カメラと一緒に何を組み合わせるかで、費用が変わります。
機器役割費用の傾向
センサーライト近づいた人を検知して、その場で光る。検知と威嚇を1台で兼ねる抑えやすい。フェンスがない発電所でも付けられる
パトランプ光と音声で威嚇する。「警察に通報します」などの音声を流せるセンサーと連動させる配線が加わる
フェンスセンサーフェンスに触れた、切った、越えようとした、を検知して電話に発報する高くなる。センサー、コントローラー、工事が一式で必要。フェンスがないと付けられない
当社では、まずセンサーライトから考えます。フェンスセンサーは、フェンスがあって、予算が取れて、検知の確実さを上げたい現場の、上位の選択肢です。 どれを組み合わせるかは、周囲に人の目があるかどうかでも変わります。音が届く範囲に人が住んでいれば、パトランプの音が通報につながります。実際に、下見の段階でセンサーが反応し、音に気づいた近隣住民が警察に通報して、被害ゼロで終わった現場があります。周囲に誰もいない山間の発電所なら、同じ音が鳴っても誰も気づきません。その場合は、回線を引いて遠隔で見る比重が上がります。

そのほかに、費用に関わること

録画をどれだけ残すか

録画を何日分残すかで、録画機の容量が変わります。ご希望によって変わりますが、目安として、カメラ4台で2TBのハードディスクなら、1か月程度は録画できます。 保険会社への説明や警察への提出を考えると、被害に気づくまでの日数より長く残しておく必要があります。台数が増えたり、もっと長く残したかったりする場合は、容量を増やします。

工事にかかる日数

カメラ4台の設置で、工事は2〜3日が目安です。配線の距離が長い現場や、鉄管を新しく立てる現場では、そのぶん日数が増えます。

遠隔地の現地調査

発電所が遠い場合は、現地調査の費用をいただくことがあります。目安は交通費と人件費です。所在地を先に教えていただければ、調査費用がかかるかどうかを先にお伝えします。

工事のあとにかかる費用

回線の月額や通信料は、工事のあとも続きます。導入の費用だけで比べると、あとで差が出ます。

「◯台でいくら」が当てにならない理由

同じカメラ4台でも工事の量が違う。現場Aはカメラがキュービクルの近くにまとまり配線は数十m、現場Bは細長い敷地で前回の侵入場所まで線を引き配線は最長250m

差がつくのは、カメラ本体ではなく工事。侵入された場所が奥にあると、線はさらに長くなります。

ここまでの話をまとめると、こうなります。 同じ「カメラ4台」でも、
  • キュービクルのすぐそばに電源があり、見たい場所もその近くにまとまっていて、回線もすでにある現場
  • 敷地が細長く、キュービクルが端にあり、反対側の端まで線を引き、回線も新しく引く現場
では、工事の量がまったく違います。差がつくのは、カメラ本体ではなく工事のほうです。 「4台でいくら」という金額を先に出すと、どちらかの現場に合わない金額になります。安く出しておいて、現地を見てから追加する。そういう見積りの出し方はしたくない、というのが当社の考えです。

見積りを比べるときに、見てほしいところ

複数の業者から見積りを取る場合は、金額の合計だけでなく、ここを見てください。
  • 「工事一式」とだけ書かれていないか。配線の長さや経路が分かる内訳になっているか
  • 電源の工事が入っているか。「電源は別途」になっていないか
  • 回線の工事と月額が入っているか。初期費用と月々の費用が分けて書かれているか
  • カメラ以外の機器が入っているか。センサーライトやパトランプなど、抑止の機器が含まれているか
  • 取り付ける高さと場所が書かれているか。手の届く高さに付ける前提になっていないか
  • 録画を何日分残せるか。
「工事一式」の見積りは、比べようがありません。同じ金額でも、中身が違うことがあります。

お問い合わせの前に分かっていると、話が早いこと

現地調査の前に、次のことが分かっていると、ご相談がスムーズです。分からないものは空欄で大丈夫です。
  1. 発電所の所在地(遠隔地で調査費用がかかるかどうかを、先にお伝えできます)
  2. 敷地のおおよその大きさと形(地図アプリの位置が分かれば十分です)
  3. フェンスがあるか。あれば、支柱が鉄管か(カメラを取り付けられることがあります)
  4. キュービクルとパワコンの位置(電源を取る場所になります)
  5. ネット回線がすでにあるか
  6. 周囲に住宅や人通りがあるか
  7. これまでに盗難の被害があったか。あった場合は、どこから入られたか(フェンスを切られた場所など。次も同じ場所が狙われる可能性があるので、配置を決める手がかりになります)
  8. 保険会社から、防犯対策について何か言われているか
とくに7と8は大事です。一度被害に遭った発電所は、また狙われます。保険の更新で、防犯対策の状況を聞かれることも増えています。

補助金は使えるのか

「費用の一部を補助金でまかなえないか」というご質問も多くいただきます。 結論だけ書くと、太陽光発電所の防犯設備を対象にした専用の補助金は、2026年10月時点でありません。条件つきで可能性のある制度はいくつかあります。詳しくは、太陽光発電所の防犯設備に、使える補助金はあるのかにまとめています。

ご相談はこちら

太陽光発電所の防犯カメラ設置は、まずはご相談ください。現地を調査したうえで、お見積りをお出しします。 あらかじめ金額を出していないのは、ここまで書いてきたとおり、発電所は敷地の形と配線の距離で費用が大きく変わるからです。現地を見たうえで、根拠のある金額をお出しします。 なお、遠隔地の場合は現地調査費用をいただくことがあります。費用の目安は、交通費と人件費です。お問い合わせの際に発電所の所在地をお知らせいただければ、調査費用が発生するかどうかを先にお伝えします。 株式会社White&Green
東京都千代田区神田佐久間町3-37-1-203
TEL:03-5809-3116(営業時間 10:00〜18:00)
対応エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬 お問い合せフォームはこちら

よくある質問

太陽光発電所の防犯カメラの費用はいくらですか

敷地の形と配線の距離で大きく変わるため、株式会社White&Greenではあらかじめ金額を出していません。費用を決めるのは、配線の距離、電源、回線、敷地の形、取り付ける場所、カメラ以外に組み合わせる機器の6つです。現地を調査したうえでお見積りをお出しします。

防犯カメラの費用は台数で決まりますか

発電所では、台数だけでは決まりません。同じ台数でも、キュービクルから各機器までの配線の距離、電源を取れる場所、回線の有無で工事の量が大きく変わります。一度盗難に遭った現場では、侵入された場所を重点的に押さえるため、カメラから録画機やサイレンまでの距離が100m近くになることもあります。発電所の形と広さによっては、これまでに250m引いた現場もあります。差がつくのはカメラ本体ではなく工事のほうです。

ネット回線がない発電所でも防犯カメラは付けられますか

付けられます。ただし回線がないと、録画は現地の機械だけになり、遠隔で映像を見ることはできません。太陽光発電所でも、よほどの田舎でない限り光回線は新規で引けることがほとんどです。LTEやSIMは回線が引けないときの手段で、通信料と通信量の上限があります。

録画は何日分残せますか

ご希望によって変わりますが、目安として、カメラ4台で2TBのハードディスクなら1か月程度は録画できます。台数が増えたり、もっと長く残したかったりする場合は、容量を増やします。

工事のあとにかかる費用はありますか

回線を使う場合は、光回線の月額や、LTE・SIMの通信料が工事のあとも続きます。見積りを比べるときは、初期費用だけでなく月々の費用も並べて見てください。

見積りを比べるときは何を見ればいいですか

「工事一式」とだけ書かれていないか、電源と回線の工事が含まれているか、月々の費用が分かるか、センサーライトなど抑止の機器が入っているか、取り付ける高さと場所、録画を何日分残せるかを確認してください。同じ金額でも中身が違うことがあります。

工事は何日くらいかかりますか

カメラ4台の設置で、2〜3日が目安です。配線の距離が長い現場や、カメラを取り付ける鉄管を新しく立てる現場では、そのぶん日数が増えます。

現地調査に費用はかかりますか

遠隔地の場合は、現地調査費用をいただくことがあります。目安は交通費と人件費です。お問い合わせの際に発電所の所在地をお知らせいただければ、調査費用が発生するかどうかを先にお伝えします。

関連記事