太陽光発電所のケーブル盗難、2025年は3,609件。被害の9割が関東に集中している

太陽光発電所のケーブル盗難は、2025年に全国で3,609件。前年から約48%減りましたが、それでも1日あたり約10件のペースです。 そして被害の約9割は、関東に集中しています。 この記事では、警察庁の統計と実際の摘発事例をもとに、いま何が起きているのかを整理します。

太陽光発電所のケーブル盗難は、いま何件起きているのか

警察庁の統計では、2025年に太陽光発電施設を狙ったケーブル盗難は3,609件。前年の6,961件から約48%減少しました。 ただし「減ったから安心」と読める数字ではありません。金属盗難全体で見ると、2020年の5,478件に対して2024年は20,701件。4年で約4倍に膨らんだあとの、一度きりの減少です。
  • 2020年:金属盗難全体 5,478件
  • 2023年:金属盗難全体 16,276件
  • 2024年:金属盗難全体 20,701件(うち太陽光のケーブル盗難 6,961件・約34%)
  • 2025年:太陽光のケーブル盗難 3,609件(前年比 約48%減)
※ 同じ警察庁の統計でも、集計の時点によって「7,054件 → 3,856件」という数字も公表されています。いずれにせよ、ほぼ半減という傾向は共通です。

なぜ関東の発電所ばかり狙われるのか

2023年は、太陽光発電所のケーブル盗難の約92%が関東(東京都を除く)で発生しました。2024年1〜6月でも約90%です。 つまり群馬・栃木・茨城・千葉・埼玉・神奈川に、被害がほぼ集中しています。 理由として考えられるのは、次の3つです。
  • 発電所の数そのものが多い
  • 高速道路網が発達していて、短時間で遠くへ逃げられる
  • 買い取る先となる金属くず業者が多い

1件あたり、いくら取られるのか

2023年の金属盗難の被害額は、全国で約132億8,700万円。うち約109億8,100万円がケーブルで、全体の約8割を占めます。 個別の事件で見ると、2026年4月に摘発された岐阜・愛知・三重・滋賀の4県にまたがる事件では、26か所の発電所から約1億4,000万円が盗まれました。1か所あたり約540万円です。 狙われる理由は、銅の値段です。国内の銅建値は2020年ごろの約70万円/トンから、2024年1月には約130万円/トンまで上がりました。盗んだ銅線は、そのまま換金できます。

本当に痛いのは、盗まれた金額ではない

ケーブルを抜かれると、発電所は止まります。 復旧には、ケーブルの再調達と敷設工事が必要です。報道されている事例では、運転再開まで約5か月、長いもので半年かかっています。その間の売電収入は、ゼロです。 20年の固定価格買取を前提に事業計画を組んでいる場合、半年の停止は計画そのものに響きます。盗まれた銅の値段より、止まっている期間のほうが高くつきます。 保険も頼りきれません。日本損害保険協会の調査では、2022年度の盗難保険金の支払いは2017年度の約20倍。その結果、免責金額を100万円以上に設定する契約が出てきています。小規模な被害は、実質的に自己負担になります。

2026年6月に法律が変わった。それで止まるのか

金属盗対策法(特定金属製物品の窃盗の防止等に関する法律)が、2025年6月20日に公布されました。
  • 2025年9月:大型工具などに関する規定が先行して施行
  • 2025年10月1日:古物営業の運用見直しにより、1万円未満の電線やエアコン室外機も本人確認の対象に
  • 2026年6月1日:全面施行。特定金属くず買受業者の届出制、本人確認、取引記録の作成・保存、盗品と疑われる場合の警察への申告が義務化
無届けで営業した場合は、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。 売り先を締めるという意味で、方向としては正しい法律です。ただし2025年の45%減がこの法律によるものかどうかは、分かっていません。先行施行された部分は一部にとどまり、全面施行は2026年6月からです。 法律の効果が出るまでの数年間は、各発電所が自衛するしかない、というのが現状です。

防犯カメラで防げる被害と、防げない被害

正直に書きます。防犯カメラは、犯行そのものを物理的に止める装置ではありません。 防げるもの
  • 下見の段階での断念。カメラが見えている発電所は、候補から外されやすくなります
  • 侵入の検知。人感センサーやAI検知を警報と組み合わせれば、入った瞬間に音と光で知らせます
  • 犯人と車両の特定。ナンバーが読める位置にカメラがあれば、摘発につながります
防げないもの
  • 無人の広い敷地で、通報から到着までの間に作業を終えられてしまうこと
  • カメラ自体を壊してから作業する手口(設置する高さと位置で対策します)
  • 「撮れていれば戻ってくる」という誤解。映像が残っても、溶かされた銅は戻りません
ですからカメラ単体ではなく、「見えるカメラ+センサーライト+警報+フェンス」でそもそも候補に選ばれない発電所にする、という考え方になります。どこにカメラを何台置くか、電源もネット回線もない現場でどうするかは、別の記事で書きます。 被害が全国2位の千葉県については、千葉県の状況をまとめた記事で詳しく扱っています。 全国で被害がもっとも多い茨城県については、茨城県の状況をまとめた記事で詳しく扱っています。

よくある質問

太陽光発電所のケーブル盗難は年間何件ですか

2025年(令和7年)は全国で3,609件です。2024年(令和6年)の6,961件からほぼ半減しました。金属盗全体では2024年が20,701件、2025年が15,712件です。(出典:警察庁)

太陽光発電所の盗難被害は、どの地域に集中していますか

関東に集中しています。2023年は全国の91.8%、2024年1〜6月は89.8%が関東でした。

なぜ2025年に件数が減ったのですか

各県の条例と金属盗対策法が、盗まれた金属の買い取り側を規制したためと考えられます。警察庁も、減少の大きな要因は太陽光発電施設の被害減だと分析しています。

金属盗の検挙率はどれくらいですか

令和5年(2023年)は19.8%です。令和2年は18.8%、令和4年は32.2%でした。被害に遭ってから検挙に至る割合は高くありません。

では、実際に何を付けるのか

株式会社White & Greenが太陽光発電所に実際に設置しているのは、カメラだけではありません。光と音です。センサーライトで照らし、パトランプで「警察に通報します」と爆音で知らせる。この組み合わせが、下見に来た段階で相手を追い返します。 機器の構成、配線の本数、カメラの向きまで図にして説明したのがこちらです。 太陽光発電所に、実際に何を付けているか。光と音とパトランプの組み立て方 神奈川県では、神奈川県営の太陽光発電所が2回やられています。1回目のあとに人感センサー付き防犯カメラを設置しましたが、2回目は一晩で約2,700mが抜かれ、被害額は約3,000万円でした。

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太陽光発電所の防犯カメラ設置は、まずはご相談ください。現地を調査したうえで、お見積りをお出しします。 あらかじめ金額を出していないのは、発電所は敷地の形と配線の距離で費用が大きく変わるからです。「◯台でいくら」と先に出しておいて後から追加、ということにしたくありません。現地を見たうえで、根拠のある金額をお出しします。 なお、遠隔地の場合は現地調査費用をいただくことがあります。費用の目安は、交通費と人件費です。お問い合わせの際に発電所の所在地をお知らせいただければ、調査費用が発生するかどうかを先にお伝えします。 株式会社White & Green
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出典・参考