日本の防犯カメラ市場の現状と今後の展望とは

防犯カメラの市場は、東京オリンピックや日本国内の治安情勢及び国際的緊張により日々存在感を増している。 警察も防犯カメラを犯人逮捕の手がかりとすると共に、犯罪抑止の手段として各自治体へ導入を進めさせているのが事実だ。 防犯カメラそのものも、日進月歩の発展を遂げており、防犯だけでなく防災用途にまで広がりつつあり、犯人の特定も鑑識が荒い画像をひたすら見続けるという段階から、AIにより撮影したその場で識別するというものまで進みつつある。 日本の防犯カメラ市場の現状と今後の展望はどうなるのであろうか?   【日本の防犯カメラ市場は500億円以上へ】 日本の防犯カメラ市場は世界的なシェアを占めるキャノンやパナソニックに牽引されつつ、2018年中には500億円の大台を超えようとしている。 防犯カメラ業者の数は160社を数え、今後も益々増えていくことが予想されると共に、市場規模も拡大していくと予想される。 一方で、カメラ個々の単価は値下げ傾向にあり、生産台数も世界的に増えていくことから、安価で誰にでも入手し易いモデルを大量に販売していくか、他社とは違う特徴を持った製品を販売していくかの二つの路線に分かれていきつつある。   例えばパナソニックの製品であれば、信頼性に重点を置くと共に、専用のネットワークソフトなどを用いたセキュリティーの強化で警察などに採用されている。 最新の技術としてはAI技術の発達も忘れてはいけない。 現在研究が進められている防犯カメラにはAIを組み込むことにより、過去に撮影した映像のデーターより今映っている人物が誰なのかを調べだし、更にインターネットから危険人物かどうかという情報を調べだすという構想すら考えられている。 そうでなくても、AIにより最適な露出を自動的に定めるということを今まで以上に能率化したり、IPネットワークカメラに侵入しようとするハッキング行為に対して自己対処を行うというようなことも可能となるでしょう。 カメラ本体の能力向上としては、暗視能力の向上も益々進むことが考えられている。 昨今、軍用暗視装置は次世代へのステップアップを果たしており、これまで用いられてきた赤外線暗視装置では赤外線ライトを照射しなければならないという軍事用途では旧式化したシステムを止め、光学増幅式の暗視カメラがこれから普及していくと考えられる。 近年では夜間もカラー撮影が可能な機種も登場しつつあり、これからは防犯カメラが暗闇を白黒撮影していた環境から、昼夜を問わずカラー撮影する様になる時代となっていくだろう。 当然、最新の技術はある程度普及されるまで高いコストを掛けて導入する必要があるが、それも軍用や警察用に用いられてきた技術が民間向けに普及していくことで抑えられていくだろう。 設置方法に関しても、これまで太い同軸ケーブルを引く必要があったのに対して、LANケーブルを用いてネットワークへ直接接続する方法が主流となりつつあり、現在研究されているものにはWIFIで電波を飛ばすことにより、録画装置までのケーブルを不要としたケーブルレスの製品も登場しつつある。 技術の進歩は利便性と簡易性を向上させつつあり、技術開発に掛かったコストも設置のし易さによる普及率の向上で解決するかもしれない。   【ライバル企業の増加と今後】 現在、日本でカメラを販売している業者は国産メーカー製のものと海外製とを使い分けて販売している。 例えば、個人宅といった価格を少しでも押せたいと考える顧客には海外製の安価なモデルを提供するが、工場や商店といった高い品質を求めるユーザーには国産の高くても信頼性の保障が高いとされる製品が人気な傾向がある。 自治体などの入札で求められる防犯カメラも国産製品を参考製品と提示されるケースが多く、国産メーカーとの繋がりを容易しておくのは販売業者にとっては重要な項目となりつつある。 同時に、販売業者が今まで以上に多くなった事によって業者間の競争も熾烈となっている。 防犯カメラの需要は関東と近畿、そして中部といった3大都市圏に8割りも集中しているとされており、販売業者はそれらの地域で施工業者と繋がっておかなければ、防犯カメラの販売は出来ても設置工事にまで至れず契約できないということになる可能性が高まってしまう。 海外製のカメラは、韓国製・中国製・台湾製が主流となっているため、九州が特に安く手に入る地域ではあるが、需要が大きい地域から離れているのが現状だ。 国産製カメラも地方に工場を多く作っており、今後流通方法と需要地域をより早く安く結ぶ手段の確立が益々重要になっていく。 これは防犯カメラだけの問題ではないが、これからは運送コストも防犯カメラの導入コストとして重要視していく必要がありそうだ。 特に海外製のカメラに関しては国際情勢の悪化に伴い流通網が遮断される危険性に留意し、複数の調達先を容易するといった対策が必要になる。 企業のグローバル化によってひとつの会社が複数化国に資本を置いて根拠地を置くケースもあるが、戦争状態などの政治的情勢の変化に伴い資本が接収される可能性もある。 例えば、中国に本拠地をおくハイクビジョン社は北米やヨーロッパにも支部を置いているが、日本と中国の交易が遮断されたときに、必ず北米やヨーロッパの支部から機器の解決が出来るとは限らない。 アメリカなどの旧西側諸国と中国の対立関係が荒立てば尚更だ。   日本のカメラ市場は、アクシス社を買収したキャノンが世界的にもトップではあるものの、中国企業が2位と3位を閉めている以上、輸出面でも予断は赦されない。