世界の防犯カメラの情勢と最大シェアのハイクビジョンカメラとは

小学生を狙った犯罪や東京オリンピックの警備を巡って昨今注目されている防犯カメラですが、世界的には防犯カメラはどの様な歴史を辿って今に至ったのでしょうか? また、世界でもっとも防犯カメラを販売しているというハイクビジョン社がどの様なメーカーであるかを調べてみました。   【防犯カメラの歴史】 最初の防犯カメラはアメリカで誕生しました。 もともとは第二次世界大戦中にドイツでロケットの発射試験を記録するために作られたアナログカメラを元として、同軸ケーブルを用いて映像信号を特定のモニターへと送信するCCTV(Closed Circuit Television)カメラという物が用いられました。 これはテレビカメラの放送などと比較して、配信される範囲が限られることから秘匿性が高く、監視目的にはうってつけであった事から1960年代よりアメリカの工場などで使われるようになります。 更に1980年代にCCD(Charge Coupled Device)という固定映像素子が真空管に変わって用いられるようになると、カメラのカラー化が進み、防犯用途として顔の見分けに用いたり、店員が手元に持つ紙幣の金額を確認するといった用途にも使えうようになります。 そして1990年にはデジタル信号を用いたカメラが登場し、画像の処理能力が向上すると共にコストの引き下げも行われるようになりました。 例えば、映像を拡大したときにデジタル信号を処理して解像度を引き上げたり、映像データを記録するときにも保存が用意となりました。 2000年代には赤外線カットフィルタを内蔵し、夜間は白黒映像にはなりますが赤外線を照射することで暗闇でも明るい場所と同じように撮影できるようになりました。 これで暗い場所でも相手にカメラの位置を悟られずに撮影が出来るようになり、防犯用途の使い勝手も良くなり現代に至ります。 今では有線でも同軸ケーブルを用いずLANケーブルを使いインターネットを経由できるIPネットワークカメラが徐々に主流となってきており、WiFiにより電波を飛ばす形式も登場しつつあります。 システム面では顔認証機能や行動から推測する不審者発見機能、AIとの連携などが研究されており、防犯能力の益々の向上が予想されます。   【防犯カメラの世界市場の規模】 現在、防犯カメラの世界中でのシェアは1兆円近くに上るとされています。 世界中でテロによる治安悪化や防犯目的での利用が進んでおり、2018年には4000万台以上の防犯カメラが世界中で出荷されると考えられています。 日本でもパナソニックなどの大手メーカーが防犯カメラの市場へと参入を進めています。 世界でも本場アメリカを筆頭に、欧州・中国・台湾に主要なメーカーが存在します。 特にシェアが大きいのはキャノンが買収したアクシス社ですが、2位には中国のハイクビジョン社、3位に同じく中国のダ―ファ社が続いています。 世界情勢が不安定になる中で、今後も防犯カメラは大きな需要を持っていくことでしょう。 一方で、個々のカメラの単価は下がり続けており、一般人でも購入し易い環境が整っていくのと同時に何処で価格下落を止められるかが肝心となっています。   【ハイクビジョンとは】 ハイクビジョン社(HIKVISION)は2001年に中国の杭州に設立された会社で、今では1万6500人以上の従業員を抱える世界有数の防犯カメラ企業となりました。 直近の売上高は5007億円にのぼり、世界シェアの18%近くを占めるとされています。 HD画質の同軸ケーブルカメラ(TVIカメラ)を主力として販売してきましたが、近年ではIPネットワークカメラを主力商品として展開しています。 2014年のブラジルワールドカップでも防犯カメラとして同社の製品が採用されており、今後も世界中で使用されることが考えられています。 価格も他社の製品と比較すると安めに設定されているので、企業だけでなく個人でも導入しやすいのが特徴でもあります。 現在用いられているのは世界100カ国以上になり、17の地域に子会社があります。 技術面でも70社以上の協力パートナーが居るため、中国製だからといって品質が低いわけではありません。   ハイクビジョンのIPネットワークカメラであれば、多数のカメラを接続できるだけでなく、インターネットが接続されているパソコンに専用のソフトをインストールすれば離れた場所にある複数のパソコンから監視するといったことも可能です。 これからは、スマートフォンなどを用いて遠隔監視を行う機会も増えるので、インターネットにカメラをいかに接続しやすくするかが肝心になってくるでしょう。 ハイクビジョンのカメラは、録画器を繋げずに直接カメラをLANケーブルでインターネットに接続する事も可能なので、非常に使い勝手が良い製品です。 屋外型や屋内仕様だけでなく、PTZというカメラの土台が遠隔操作で回転し操作できる仕様もあります。   取り付けの際には、天井や壁面にしっかり固定し、電源などのケーブルが見えないように工事を行う事をオススメしますが、他社のカメラと比較してコストも抑えやすいのがハイクビジョンの防犯カメラです。 今後もどの様な商品が誕生していくのか注目したいですね。