米の価格が落ち着いた一方で、果樹の被害が目立っています。
理由ははっきりしています。果樹は単価が高く、そのまま売れるからです。シャインマスカットは一房数千円で取引されることもあります。
そして果樹園の盗難には、畑の野菜とは違う特徴があります。収穫の直前に、まとめて消えます。
実際に起きていること
| 時期・場所 | 被害 | 金額 |
2026年8月 栃木県佐野市 | シャインマスカット約400房 ハウス5棟にまたがって | 約80万円 |
2026年7月 福岡県うきは市 | 収穫直前の幸水梨約5,000個 前年も約6,000個 | 約200万円 |
2025年9月 茨城県筑西市 | 収穫直前の梨約1,200個 | 約24万円 |
2025年7月 山梨県南アルプス市 | 桃約300個 県内で7月19日までに6件 | 約10万円 (6件で約60万円) |
2026年8月 佐賀県伊万里市 | いちごの苗約2,000株 ハウス4棟から少しずつ | ― |
数が尋常ではありません。
梨5,000個は、人が手で抱えて運べる量ではありません。車両を入れて、複数人で、時間をかけて収穫しています。
なぜ「収穫直前」なのか
盗まれているのは、ほぼ例外なく
収穫直前です。理由は3つあります。
- そのまま売れる。熟していれば、選果も追熟も要りません
- 一番価値が高い。1年の手間が全部乗った状態です
- 農家が一番忙しい時期。見回りに手が回りません
つまり犯人は、
その園の収穫時期を知っています。通りかかって盗んだのではありません。
令和4年には、
まだ熟していない桃が大量に盗まれ、フリマアプリに出品された事例もあります。売り先が決まっている犯行です。
気づくのが、10日後
栃木県佐野市の事例が、果樹園の怖さをそのまま表しています。
- 園の管理者が最後に確認したのは7月25日の夕方
- 被害に気づいたのは8月5日の午後
最大で10日間、誰も気づいていません。
果樹園は、毎日すべての区画を見るわけではありません。ハウスが5棟あれば、全部を毎日は回りません。
その「見ていない時間」が、そのまま犯人の作業時間になります。
10日経ってからでは、車のわだちも足跡も消えています。防犯カメラがなければ、何人で、いつ、どこから入ったのか、手がかりが何も残りません。
この園には、
防犯カメラが設置されていませんでした。樹には刃物で切った跡が残っていました。
対策していても、防げていない
ここは正直に書きます。カメラを付ければ解決、という話ではありません。
福岡県うきは市の梨園は、
センサーやフェンスなどの対策をしていました。それでも防げませんでした。
しかも
2年連続です。前年に約6,000個、翌年に約5,000個。
この農家は、
廃園を決めました。
被害額200万円という数字以上の損失です。果樹は植えてから収穫までに何年もかかります。一度やめたら、簡単には戻せません。
佐賀県伊万里市のいちご苗の事例では、
ハウスの扉が施錠されていませんでした。こちらは6件目で、過去最大の規模でした。
では、何が足りなかったのか
この3つの事例を並べると、見えてくるものがあります。
- 佐野市:カメラがなかった → 記録が残らなかった
- うきは市:センサーとフェンスがあった → 検知はできても、止められなかった
- 伊万里市:施錠していなかった → 入るのを遅らせられなかった
防犯には、別々の仕事が3つあります。
- 遅らせる(鍵・フェンス)
- 気づく(センサー・カメラ)
- その場で追い返す(光・音)
どれか1つでは足りません。
フェンスは時間を稼ぐだけで、切られたら終わりです。センサーは教えてくれますが、現場に誰もいなければ何も起きません。カメラは記録しますが、顔を隠されたら使えません。
足りていないのは、3番目です。
株式会社White&Greenが太陽光発電所で組んでいるのは、ここです。センサーが反応した瞬間に
園全体を照らし、パトランプが「警察に通報します」という音声を爆音で流す。記録ではなく、その場の妨害です。
実際に、下見の段階でセンサーが反応し、音に気づいた近隣住民が警察に通報して、被害ゼロで終わった現場があります。翌朝7時に、オーナーからお礼の電話が入りました。
太陽光発電所に、実際に何を付けているか。光と音とパトランプの組み立て方
果樹園には、果樹園の難しさがある
太陽光発電所と同じ考え方で組めますが、果樹園には固有の条件があります。
- 木で見通しが悪い。パネルと違って、樹が育つと視界をふさぎます。剪定後と繁茂期で見え方が変わります
- ハウスと露地で違う。ハウスは出入口が限られるので守りやすい。露地の園地は、どこからでも入れます
- 電源が遠い。園地に電源がないことがあります
- 季節性がある。狙われるのは収穫期の数週間から数か月です
最後の点は、太陽光と大きく違うところです。
太陽光発電所は365日守る必要がありますが、果樹園は収穫期に守れれば足ります。
これは費用の考え方を変えます。
常設でなくてもいい構成があり得る、ということです。ここは現場を見ながら、具体的に書いていきます。
対応エリアは、果樹の主産地です
株式会社White&Greenの対応エリアは、果樹の産地が集まっています。
- 千葉県:梨の産地。収穫は7月下旬から10月上旬
- 栃木県:いちご、ぶどう、梨。シャインマスカット400房の被害は佐野市です
- 茨城県:メロン、栗、梨。筑西市で梨1,200個の被害。土浦市・笠間市でも梨の大量盗難が報じられています
- 群馬県:梅、梨、ぶどう
- 埼玉県:梨、ぶどう、いちご
- 神奈川県:みかん、梨
- 東京都:多摩地域の梨、ブルーベリー
被害が出ている県が、そのまま対応エリアです。
いつ、何が狙われるか
| 作物 | 狙われる時期 |
| 桃 | 6月中旬〜9月下旬 |
| 梨 | 7月下旬〜10月上旬(ピークは7月下旬〜9月) |
| ぶどう(シャインマスカット) | 8月〜10月 |
| りんご | 9月〜11月(保管中のものも狙われます) |
| メロン | 5月〜6月 |
| 栗・サツマイモ | 9月〜10月 |
| いちご(苗) | 8月前後の定植準備期 |
茨城県警察の集計では、県内の農作物盗難は
5年合計で9月が最多、5月が2番目です。果樹の収穫期と重なります。
自分の園の収穫期の、1か月前から備える。これが現実的な考え方です。
被害に遭ったら
農林水産省は、次の対応を求めています。
- 速やかに最寄りの警察に被害を届ける
- 「農作物盗難被害報告書」を作成し、最寄りの自治体またはJAに提出する
- 収入保険に加入している場合は、各地域のNOSAIに相談する
警察に届けて終わりにせず、自治体かJAへの報告まで出してください。実態の把握と、地域の対策強化につながります。
詳しくは
農作物の盗難は年間2,200件で横ばい。でも検挙率は43.4%しかないにまとめています。
ご相談はこちら
果樹園・ビニールハウス・農機具倉庫の防犯カメラ設置は、
まずはご相談ください。現地を調査したうえで、お見積りをお出しします。
あらかじめ金額を出していないのは、園地は形と広さ、樹の高さ、電源の有無で費用が大きく変わるからです。「◯台でいくら」と先に出しておいて後から追加、ということにしたくありません。現地を見たうえで、根拠のある金額をお出しします。
なお、
遠隔地の場合は現地調査費用をいただくことがあります。費用の目安は、交通費と人件費です。お問い合わせの際に所在地をお知らせいただければ、調査費用が発生するかどうかを先にお伝えします。
株式会社White&Green
東京都千代田区神田佐久間町3-37-1-203
TEL:03-5809-3116(営業時間 10:00〜18:00)
対応エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬
お問い合せフォームはこちら
この記事の出典
よくあるご質問
果樹園ではどのくらいの規模の盗難が起きていますか?
まとまった量が一度に持ち去られます。2026年8月に栃木県佐野市の果樹園でシャインマスカット約400房(約80万円相当)、2026年7月に福岡県うきは市で収穫直前の幸水梨約5,000個(約200万円相当)、2025年9月に茨城県筑西市で梨約1,200個(約24万円相当)、2025年7月に山梨県南アルプス市で桃約300個が盗まれています。梨5,000個は手で運べる量ではなく、車両を入れて複数人で収穫しています。
なぜ収穫直前に狙われるのですか?
理由は3つあります。熟していればそのまま売れること、1年の手間が乗って最も価値が高いこと、そして農家が最も忙しく見回りに手が回らない時期であることです。犯人はその園の収穫時期を把握しており、通りかかって盗む犯行ではありません。未熟な桃が大量に盗まれフリマアプリに出品された事例もあり、売り先が決まっている犯行とみられます。
盗難にはいつ気づくことが多いですか?
遅れることが多く、それが果樹園の弱点です。栃木県佐野市の事例では、園の管理者が最後に確認したのが7月25日の夕方、被害に気づいたのが8月5日の午後でした。最大で10日間、誰も気づいていません。果樹園は毎日すべての区画を見るわけではないため、その見ていない時間がそのまま犯人の作業時間になります。10日経つと車のわだちも足跡も消え、防犯カメラがなければ手がかりが残りません。
防犯カメラやフェンスがあれば防げますか?
それだけでは防げていません。福岡県うきは市の梨園はセンサーやフェンスなどの対策をしていましたが2年連続で被害に遭い、農家は廃園を決めました。栃木県佐野市の果樹園には防犯カメラが設置されていませんでした。佐賀県伊万里市ではハウスの扉が施錠されていませんでした。防犯には、遅らせる(鍵・フェンス)、気づく(センサー・カメラ)、その場で追い返す(光・音)という3つの別の仕事があり、不足しがちなのは3番目です。
果樹園ではどんな対策が有効ですか?
センサーが反応した瞬間に園を照らし、パトランプなどで警告音を出す方法です。茨城県警察も農業者向けの対策として、防犯カメラの設置と作動中の表示、センサーライト、センサー式の音声警報機を挙げています。株式会社White&Greenは太陽光発電所で同じ構成を施工しており、下見の段階でセンサーが反応し、音に気づいた近隣住民の通報で被害ゼロに終わった現場があります。
果樹園特有の難しさは何ですか?
4つあります。樹が育つと見通しが悪くなり、剪定後と繁茂期で見え方が変わること。ハウスは出入口が限られて守りやすい一方、露地の園地はどこからでも入れること。園地に電源がないことがあること。そして狙われるのが収穫期の数週間から数か月に限られることです。太陽光発電所が365日守る必要があるのに対し、果樹園は収穫期に守れれば足りるため、常設でない構成も検討できます。
どの果物がいつ狙われますか?
桃は6月中旬から9月下旬、梨は7月下旬から10月上旬(ピークは7月下旬から9月)、ぶどう(シャインマスカット)は8月から10月、りんごは9月から11月で保管中のものも狙われます。メロンは5月から6月、栗とサツマイモは9月から10月、いちごの苗は8月前後の定植準備期です。茨城県警察の集計では県内の農作物盗難は5年合計で9月が最多、5月が2番目で、果樹の収穫期と重なります。自分の園の収穫期の1か月前から備えるのが現実的です。
被害に遭ったら何をすればよいですか?
速やかに最寄りの警察に被害を届けたうえで、農林水産省が公開している「農作物盗難被害報告書」を作成し、最寄りの自治体またはJAに提出してください。収入保険に加入している場合は各地域のNOSAIに相談します。警察に届けて終わりにせず、自治体かJAへの報告まで出すことが、実態の把握と地域の対策強化につながります。