国際情勢の不安定化によるテロ事件の増大や治安状況悪化による犯罪の増加に対して、防犯カメラの役割が日に日に増してきている。 個人で自宅に取り付けたい方や企業で売店や倉庫に防犯カメラを取り付けたいという方も増えている傾向にある。 2020年の東京オリンピックの時には外国人も沢山来ること事が考えられるため、警備業の需要と共に防犯カメラの需要もピークを迎えると考えられる。 しかし、防犯カメラを設置するためには、配線などが露出しないように設置工事にも注意を払う必要がある。 今回はどの様な点に気をつければ工事を効率的に発注できるのか、ポイントを抑えていこう。 防犯カメラで主流な製品である、有線接続タイプのAHDカメラを用いた場合のポイントを、まずはチェックしていく。 有線の場合は、5C-FBなどの同軸ケーブルをカメラ本体から録画器まで延ばす必要がある。 距離によって配線の太さは異なるため、まずはカメラから録画装置を置く部屋までの長さを正確に知る必要がある。 例えば、1階のロビーから3階のデスクまで配線を延ばす場合、ケーブルは壁の中を通す必要があるのだが、場所によっては柱などによりケーブルを迂回させる必要が出てくる。 これによって工事に用いるケーブルの長さが変わるばかりか、距離によっては配線の太さが不足し、映像に乱れが出てしまうことが考えられる。 可能であれば建築時の図面を用意するなどして、対策をしっかり整えよう。 建築中の建物であれば、内装工事の直前に配線をひき終わってしまうのが効率的だ。 カメラの配線が露出すると、悪さを企む輩にとってどのようにすれば防犯カメラを無力化できるかというヒントを与えることになる。 防犯カメラ本体は非常に頑丈に作られているが、配線を遮断されてしまうと、再びケーブルを引きなおすのも時間が掛かってしまう。 工事の前には必ず下見を業者に行ってもらい、配線を出来るだけ隠せるようにすることも大切だ。 勿論、人の手が簡単には届かない箇所などは、露出していても大丈夫だが、ケーブルの劣化を防ぐためにもある程度は覆われるようにすると良いだろう。 カメラの設置の際には、日光の向きにも注意が必要だ。 逆光方向に取り付ける場合は、カメラのフォーカスが合うように注意する必要がある。 せっかく取り付けても、映像が光で真っ白になってしまっては防犯カメラの役割を果たせない。 加えて、太陽の光によって映像素子の劣化が早まってしまうので、注意が必要だ。 屋内の場合にはフリッカー現象という、蛍光灯によって映像がチラつく問題に関西地方以外の日本の施設では注意が必要だ。 屋外で取り付ける場合は、雨や風に対する対策も重要になってくる。 通常、屋外用防犯カメラは防水仕様になっているが、海沿いの地域の場合は塩害に対しても保障されている製品でないと1年程度で劣化してしまう危険性がある。 風に対しても、カメラをいじれないように高所に取り付けた結果、強風で小刻みに震えて映像がまともに見れなかったら意味がなくなってしまう。 株式会社タムロンの開発した防振カメラなどが有効な対策手段だが、どれだけの高さが必要なのか、見積もりの際に相談すると良いだろう。 これらの注意点は同軸ケーブルを用いる防犯カメラだけでなく、LANケーブルを用いたIPネットワークカメラでも同じだ。 LANケーブルは細い分、簡単に配線が通せるようになるが、ある程度の距離で中継用のハブを設置する必要があり、その為の電源確保も必要となってくる。 カメラの台数が同軸ケーブルのタイプと比較して非常に多く設置できるというメリットがある分、カメラの設置場所と配線距離及びケーブルの設置場所は念入りに相談する必要があるだろう。 より簡単に防犯カメラを設置したいという方にはWiFi式防犯カメラをオススメする。 WiFi電波を飛ばすことでカメラの映像を録画装置へ飛ばすため、分厚い壁や車両の通行が多い道を挟んだ場所へ送るのは非常に困難ではあるが、同じ敷地内で防犯カメラを設置したいと考える場合には有力候補となりえる。 特に、株式会社Y&Greenで販売しているWiFiカメラは、防犯カメラ同士が電波の中継器となることで、カメラと録画装置が離れていても電波を届けることを可能としている。 間に分厚い壁があっても、カメラを曲がり角に追加で設置することにより、電波を届かせることも可能だ。 IPネットワークカメラと同様にインターネットにLANケーブルで繋げることで、遠隔地のカメラ映像を録画器へ送ることも出来る。 WiFiカメラ最大のメリットは、電源さえあれば他の配線を省くことが出来るということだ。 電源は必ず必要になるが、長い映像用ケーブルを録画装置まで引く必要がなく、その場ごとにある電源さえ確保できれば設置できるのは工事の簡略化に繋がる。 もし、防犯カメラを設置する際に、見積もりに困っているのなら一度相談してみると良いだろう。 全てのカメラに共通して考える必要があるのは、録画装置の設置場所だ。 これはパソコンにカメラを接続する場合も同様だ。 警備室などがあればそこに繋げるのが妥当ではあるが、そうでないなら事務所などの配線が引き込みやすく、かつ必要な人のみが見れる位置に取り付けるのがよいだろう。 普段は確認しないのであれば、鍵つきのボックスに入れて設置するという手段もある。 屋外に録画装置を設置するのであれば、風雨に耐えられるようにするために、ボックスの設置は必須になるので、忘れずに確認するようにしよう。 また、カメラも録画装置も電源が必ず必要だ。 有線カメラであれば、録画装置付近に電源元を集約したり映像信号と共に電力も送れる同軸ケーブルと同軸装置を設置するのも良いだろう。 LANケーブルを用いる場合も同様だ。 一方、WiFiカメラの場合は、電源をカメラに一番近い場所から引くようにすれば、見た目も綺麗になり効率的に工事を行う事が出来る。 それぞれにメリットとデメリットがあるので、見積もり前にある程度の希望をまとめておきつつ、業者にしっかり相談すると良いだろう。